国境に到着しましていよいよイランに入国でございます。
*前回のお話はこちら。
イミグレーションの入り口で迷彩の軍服を着たガーディアンのお兄さんにパスポートをくまなくチェックされます。
舐め回すように2分ほどかけてパスポートを見た後ひとこと、「Welcome to Iran.」と歓迎のお言葉をいただきました。
さらに奥に進んでゆき、正式に入国審査を受けます。
オフィサー「何しにイランにきたの?」「未婚なのに、ひとりで来たの?」「どこに泊まるの?」「どれくらいイランにいるの?」「ふーん、大学生なんだ、何勉強してるの?え、英文学?作家になるの?」
わたし、にこやかに淡々と答える。入国拒否だけは勘弁だからね。
「それで、イランの次はどこに行くの?」
(ドキッ……)
言えない…イスラエルに行こうと思っているなんて…口が裂けても言えない…
もろきち「えーっとまだ決まってなくて、グリース(ギリシャ)に行こうかな〜でもまだ確定ではなくて〜(ゴニョゴニョ)」
オフィサー「は?なに?グリースってなに?」
もろきち「えっと、地図を思い出していただいて、、トルコの西側に隣接している国なのですが…」
オフィサー「うーん、よくわからないなあ」とどこかに電話をし始める。
航空券を出せと言われたらどうしよう。ガクブル。
電話を切り終わったオフィサー。
「ま、次の目的地はとりあえずトルコってことにしときます笑」
まじなん?そんなテキトーでいいんですか?
ということでとりあえず無事イランに入国することができました。イミグレーションを出ると、当たり前だけど、看板の文字が変わった!
イミグレーションを出て、キョロキョロウロウロしていると老夫婦がわたしに声をかけてきてくれた。
老夫婦「わたしたちタブリーズに住んでいて、これから家に帰るところなんだけど、もしよかったら一緒にタクシーに乗っていかない?」
なんと!私もタブリーズに行きたいと思っていたのでした!ぜひご一緒させてください!!
そんなこんなでタブリーズまでタクシーで行くことになりました。*タブリーズとはイラン第4の都市で、日本でいう福岡と似た規模の街でございます。
でもここからタブリーズまで車で約6時間弱かかるというお話だったので、タクシー代めちゃくちゃ高くなるんじゃ…(白目)
もろきち「あの…タクシー代っていくらくらいになりますか…(心臓ばくばく)」
タクシー運転手さん「200,000イランリアルだよ」
200,000リアル=6.5アメリカドル(2014年2月当時)
おでこを撃ち抜かれた。
安すぎじゃね?ガクブル
老夫婦「イランは石油の国だからね、ガソリンがとても安いのよ」
サイレント失神している私に、老夫婦が続ける。
「ねえ、あなたはるばる日本から1人で来たのね。もしよかったらだけど、タブリーズでの宿がまだ決まっていないなら、わたしたちのおうちにいらっしゃいよ。日本のことがとても大好きなの。大歓迎よ。」
ええっ!!そんな…見ず知らずの外国人なのに…いいんですか…
「娘が結婚してもういないから、その部屋で休んでね。あなたはわたしたちの2人目の娘よ。」
タクシーから見える神がかった光景を見ながら、私はいま起こっていることが現実なのか夢なのかちょっとよくわからなくなりました。
そうしておうちにお邪魔をさせていただくことになりまして。さらに驚いたことには、その老夫婦のご自宅は、石油王ハウスでした。めちゃくちゃ広い。めちゃくちゃ豪華。どうしよう。
親族のみなさんが集まり、歓迎のミニパーティを開いてくれました。
自分の身に起きていることがあまりに現実味を帯びておらず、途方にくれますが次の記事に続いてまいります。