無事、トラブゾンでイランビザをGETし、あとは夜行バスで国境に向かうのみ!
*前回のお話はこちら。
もうすぐトルコともお別れでございます。メシウマで人の優しい国だったなあ…しみじみ。ということで国境の街、「ドゥバヤジット」を目指して夜行バスに乗車!
ひどく疲れていたので、乗車後まもなく深い眠りについたのでありんす。どれくらいの時間がたったのかわからないけど、いきなり誰かにトントンと肩を叩かれたのです。
ほえっ?もう到着?と目を開けるとバス車内は真っ暗で乗客がひとりもいなくなっていました。ただひとりを除いて。
そこに唯一いたのは、バスアテンダントのお兄さん。暗闇の中に、とても近距離に立っているんです。
窓の外を見ると、バスはどうやらサービスエリアのようなところに停まっているようです。状況がよくつかめず混乱するわたし。
と、その瞬間、そのお兄さんがおもむろにズボンを脱ぎピーを露出。わたしにのしかかって来たのです。
血の気サッッッ。
やばい!!!!逃げないと!!!!でも逃げ道は彼に塞がれているやばい!!!ひとまず窓を激しく叩いて叫ぶ。「誰か!!たすけて!!だれか!!!!!」
いきなり大声を出されたことに一瞬ひるんだ様子の彼。その隙をみてバスを降りようと前方に走るけど、バスの扉には内ロックがかかっていました。
あきらめておとなしくしな〜と近づいてくるバスアテンダント。
もうガラスを突破するしかない。めちゃくちゃ叫び声をあげながらガラスをガンガン叩く。助けて!!助けて!!!助けて!!!!!!!
と、レストランの従業員さんがこちらに気づいてバスに近寄って来た。
すると、バスアテンダントはオロオロしはじめ、ズボンをあげてバスの外に走って逃げていったのでした。そして2度と戻ってきませんでした。
その後サービスエリア内のレストランに駆け込むと同じバスの乗客が食事をしたり談笑したりしていて、とりあえず助かった…と安堵のため息。「どなたか英語がわかる方はいらっしゃいませんか(´;ω;`) !!!」と訴えるも英語が話せる人はおらず。
そんな取り乱しまくりの私とは裏腹に、そこにいた人たちは「何を騒いでるんだこのジャポニーは。チャイか、チャイが飲みたいのか。何かの縁だ、俺らがご馳走したるわ。」と。
目の前には湯気のたった美味しそうな熱々のチャイがサーブされます。
「そうじゃなくって!!話を聞いてください!!!(´;ω;`) 」という趣旨を身振り手振りで伝えると
彼らの間では「おいみんな、このジャポニーはチャイではなく、ライスプディングが食べたいみたいだぞ!!」という話になったようで、それはそれは美味しそうなライスプディングというデザートもサーブされました。
なんだこの甘そうなプリンみたいなやつは。なんだこれは。
わたしの様子があまりにも尋常じゃなかったため、レストランの店員さんが翻訳機を持って来てくれたのでした。まじグッジョブだよ〜〜!!まじ文明の利器〜〜!!
翻訳機「バスアテンダントに乱暴されそうになりました。怖くてどうしていいかわかりません。どうか助けてください。」
翻訳機を見せると、楽しそうに笑っていたトルコ人乗客一同の表情が一気に凍りつく。皆深刻な顔してどうしたらいいか話してくれている様子。
「大丈夫だよ、君のことはちゃんと目的地まで安全にたどりつけるように俺らが手助けするから」と皆でフォローしてくれたのでした。
(´;ω;`)
わたしがずっと怯えていたので、乗客の男性はわたしが目的地につくまで付き添ってくれました。もうだめ、涙腺が。この男性ね、赤ちゃんが生まれたばかりの新米パパなんだって。
後からわかったことなんだけど、バスが停まっていたのは、休憩ではなく故障したからなんだそう。代わりのバスが到着するのを皆待っていたんだとか。
職務やら、下手すれば人生やらを放棄して2度と戻ってこなかったバスアテンダントの行方がかなり気になりますが、次の記事に続きます。